Main Station Stuttgart | Ingenious Architects
[建築設計]
Christoph Ingenhoven with ingenhoven associates @デュクセンブルク’(ドイツ)
[計画時期]
2009 − 2023
[建設時期]
2014 − 2026
[延床面積]
50,000 m²


21世紀のインフラ・モビリティプロジェクト
シュトゥットガルト-ウルム鉄道の拡張は、ヨーロッパ最大のインフラプロジェクトの1つです。将来の中央駅は、シュトゥットガルト21の交通および都市開発プロジェクトの中核を形成します。光が降り注ぐ低地の 8 線貫通駅として、開通時に以前の 16 線の終点駅に取って代わります。都心の地上鉄道施設は解体され、新たな都市開発の視点が生まれます。これまで線路で隔てられていたシュトゥットガルト東地区とシュトゥットガルト北地区は、150年以上ぶりに再接続される。移動時間が大幅に短縮されます。1997年、クリストフ・インゲンホーフェンはシュトゥットガルト中央駅の改修と新築の国際コンペティションで優勝しました。32人の審査員が全会一致で126人の参加者の中から受賞者を選出した。2009年4月の融資契約の締結後、シュトゥットガルト21の建設工事は2010年2月2日に開始されました。2021年2月27日にはハーフタイムが祝われ、28個の聖杯支柱のうち14個目がコンクリートで鋳造された。
【着想の源泉(デザイン・構造のインスピレーション)】
構造デザインの源泉(シャボン玉試験と吊り下げチェーンモデル):
- 「シャボン玉試験」: 地下駅舎の天井を支える特徴的なコンクリートシェル(「ケルヒ」の形状)の着想は、シャボン玉試験に基づいています。これは、引張応力なしで膜に局所的な力を加えることができる理想的な形状を追求するための手法です。穴(トップライト)と組み合わせた場合も、この理想的な形を基本条件に適応させながら構造が継続的に開発されました。

- モデルの反転: 当初、吊り下げチェーンモデル(ケーブルネット構造)から構造解析を開始し、そのモデルを反転させるという決定が下されました。これにより、引張構造の反対である、圧縮されたアーチ型のシェル(ケルヒの天井部分)が作成され、安定したコンクリート構造を実現しました。

都市計画・交通の源泉:
- 交通の高速化と効率化: 従来の終着型駅の非効率性(広い敷地の占有、方向転換の必要性)を解消し、欧州高速鉄道網に対応する**通過式(貫通型)**への転換を図るという必要性。
- 緑地ネットワークの回復: 地上の鉄道敷地を地下化することで、分断されていた緑地帯(シュロスガルテンなど)を市街地とつなぎ、都市の環境と公共空間の質を向上させるという都市計画的な構想。
【 特徴的な仕組み】
- 構造: 吊り下げチェーンモデルを反転させて生まれた、コンクリート製の圧縮アーチ型シェルが駅舎の天井と荷重を支える主要な構造です。
- デザイン: この構造の頂部に、約300ヶ所のグラスルーフ「ケルヒ」が設けられています。これは、地下駅に自然光を導き入れる役割を果たし、地上部(新しい公園)では格子状に点在する彫刻的・記念碑的なデザイン要素として機能します。